〈IEEE SENSORS 2007〉に出席して
板生清(本誌監修)

10月28日から31日まで、米国ジョージア州アトランタのハイアット・リー
ジェンシー・ホテルにおいて、35か国574名の研究者・専門家・大学院生らの
出席の下、大規模なセンサー・カンファレンス「第6回IEEE SENSORS 2007」
が開催されました。
 私は今回キーノート・スピーカーとしてご招待に預かり、開催最終日の朝8
時から45分間の基調講演、そして10分間のQ&Aに臨みました。
 私の基調講演は「Wearable Sensor Network Connecting Artifacts, Nature
and Human Being」と題するもので、(1)ネイチャーインタフェイスのコン
セプト提唱、(2)これを実現する超小型ワイヤレスセンシング技術の概要説明、
(3)これを用いたWINで開発中の「ヒューマンレコーダ」サービスの紹介、(4)
私が領域総括を務める科学技術振興機構(JST)での15チームの先進的統合セ
ンシング技術の紹介、(5)将来のインターネット通信におけるバイタルサイ
ンの役割・展望。質疑は、(1)WIN生体センサーに関するもの、(2)個人生
体情報の保護管理について、と活発でした。講演の詳細は、WINのHPをどうぞ。
 今回のセンサー・カンファレンスは、化学、バイオ、光学、機械、物理等の
領域におけるセンサー・アクチュエーター、ネットワーク、アプリケーション
を網羅する広範囲にわたるものであり、それら部門別のセッションにおいての
発表や、学生たちによるポスター・セッションのコーナーも設定されておりま
した。
 3日目の夜のバンケットは、それこそ大会出席者ほぼ全員が一堂に会しての
交流の場となり、カンファレンス議長をはじめ大会実行委員長等と親しく話す
機会をもちました。その折、センサーに関する日本の伝統は長いと知られてい
るにもかかわらず、開発の状況はあまり発表されてこなかったのではないかと
の印象を抱きました。
 また、センサーに限らず、これまで科学技術は日本がかなりリードしてきた
との自負がありましたが、本センサー・カンファレンスは、韓国が2003年の
開催国であったり、再来年はシンガポールが主催国になるとのことで、アジア
の国々に比べ、日本はあまり積極的に寄与していないのではないかと感じまし
た。近い将来、日本も誘致したいとの思いを強くしました。
 最終日の午後、アトランタの街を駆け足で巡ってきました。MARTAと呼ば
れる地下鉄に乗って、『風と共に去りぬ』のマーガレット・ミッチェル・ミュー
ジアムへ、次に、コカコーラの発祥記念館とCNNセンター、そして96年近代
オリンピック100周年記念公園を歩いてきました。また、最高に旨いと評判の
MFすしバーを体験したり、ハードロック・カフェでは往年のロックンロール・
スターの遺品に再会したり。かつてはアメリカインディアンが居住し、その後
は黒人の奴隷解放の舞台となったアトランタ。買い求めたショットグラスには、
アトランタのシンボル、橙色のpeachtree(桃の木)が描かれていますが、そ
のやさしい色合いのなかに、しばしその土地の歴史を垣間見る思いでした。